【0055】『感覚の相違』
映画にしろドラマにしろ、人からいいよと薦められた作品というのは、
私の経験上、期待度がグッと上がってしまうので、鑑賞前にすでに
ハードルが高くなっていて、ややもすれば面白さが半減してしまいがちです。
このことはなにも、映画やドラマの類に限ったことではありません。
例えば、口コミで知った美味しいと評判のお店に行ってはみたけれど、
自分の口には合わずにがっかりしたり、「チョーかわいい子がいるよ。」と
教えてもらったキャバクラで、全然好みではない子にお金と時間を
浪費する羽目になってしまったり、「絶対いいから聞いてみて。」と言われて
買ったCDがベランダの鳩除けになっていたりと・・・。
そうです、これは俗に言うところの“感覚の相違”に他なりません。
感覚の相違といえば、かの有名なアフリカの靴屋さんのお話がありますね。
アフリカに進出しようと考えているある靴のメーカーがAさん、Bさん、2人の
セールスマンを現地調査に派遣したときのこと。
しばらくすると、Aさんから会社に連絡が入りました。
「社長、ここはだめです。全く誰も靴を履いていません。」
時を同じく、Bさんからも連絡が。
「社長、やりました。まだ誰も靴を履いていません。」
これはたとえ話ですが、このようにまったく同じ状況下においても、
感覚の相違でこんなにも大きな差になってしまうということです。
その後、Bさんが大成功し会社に貢献したことは言うまでもありませんね。
自分でいいなと感じたものを人に薦めるのは結構なことですが、
あまり押し付けがましくならないように気をつけなければなりません。
「まあ~っ、だまされたと思って。」って言葉にいつもだまされてしまうのは
私だけではないはずですよねぇ(笑)